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〝はじめて絵本に触れる子供たちへ〟 〝ふたたび絵本に出会う大人たちへ〟 ブログ主【えるまー。】が、 主観でレビューしていきます! 一味違う視点で絵本をお探しの方は、 是非いちど記事をご覧ください。
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著・レイモンド・ブリッグズ


表紙からすぐにわかる通り、
衝撃的な内容となっています。
(余談ですが〝検索してはいけない〟
ワードに載っているほどです)
とはいえ、決して
不謹慎でも
過大表現でも
えげつない表現でもありません。
ただ、心に響き過ぎるのです。
以上を踏まえてお読みください


老夫婦、ジムとヒルダが
平和な暮らしから、核が落とされ
被爆の脅威を知ることなく
衰弱していく様を描いた作品。

描いているのは、
スノーマンでお馴染み
レイモンド・ブリッグズさんです。



レイモンドさんが
優しく淡々とした作風で
核の脅威を痛烈に批判した内容。

私は、小学生のとき図書室で見つけ
トラウマになりました(; ̄Д ̄)
その後、アニメーション化された
【風が吹くとき】を何度も見返して
この作品の大切さを再発見しました。


ジムとヒルダは、
穏やかな時間の流れる
静かな村で過ごしています。

隣国との関係が悪化し、戦争時の
パンフレットが配られますが
それでも何が変わるでもなく
過ごしています。

ラジオから物騒なニュースが流れるも
ヒルダは家事に追われ、
ジムもさほど気にしません。

それでも少しずつ変化する国の動きに
ジムは若干不安げ、
パンフレットの通りシェルターを作り
非常食とジャガイモの袋を用意
それでもヒルダは家の仕事に勤しみます。

コミック調の明るい色彩で、
何気ない日常が描かれます。

『3分後、核が落ちます。』

ここからストーリーは一変していきます。
核による〝死の風〟
老夫婦は国のパンフレットにそって
シェルターで難を逃れた
そう思い込みますが、
残念ながら被爆します。
自分たちは、きちんと対処したため
生き残れたと思い込みますが
徐々に体が蝕まれていきます。
それでもヒルダは家事をし、
ジムはなんとかなると信じます。

絵本の色彩も徐々にくすんでいき
2人の状態を表現しています。

最後の場面で、
それまで翻弄されていたヒルダが
ジムを諭しジャガイモ袋に入る姿は
なんとも言えません。

核が落ちる瞬間の表現

その前後で絵の鮮やかさが
変わっている部分

ただの市民が、暴力の渦に
のまれていくやるせないストーリー。

イヤでも、核がどれほどの脅威か
心に突き刺さります。








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